「この街」TOUR 2019
山形県 荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)大ホールでのコンサートでした。
今日も、盛り上がりました〜。鶴岡の皆さんありがとうございました!!
昨年出来た、田んぼの中のホテル、SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSEや、お洒落な建物が街の中にたくさんあって、とても素敵な街でした。
田んぼには白鳥がいて、飛び立つ姿も見れました。
間近で見たのは初めてだったので、感激しました。
行きたかった世界一の加茂水族館のクラネタリウム、クラゲの種類がたくさんあったのには驚きました。
クラゲの赤ちゃんに癒されました。
金沢屋の麦切り、芋煮、鶴岡の野菜、だだちゃもち・だだちゃフィナンシェ・栃栗大福・きりさんしょ・だだちゃまんじゅう・シルバーベル・おひな菓子・オランダせんべい・からからせんべい・おしどりミルクケーキ
みんな美味しかったです。
また、ゆっくり鶴岡に遊びに来たいです。
「この街」TOUR 2019ツアー!
明日はいよいよ、最後の宮城県「仙台サンプラザホール」です。
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同時也有7部Youtube影片,追蹤數超過46萬的網紅Genの本棚食堂,也在其Youtube影片中提到,ふと思い返せばついこの間のように感じるけれど、絶対的な時間軸の上では5年以上の歳月が経っている。 こういう経験は割と誰にでもあるんじゃないかな。人は時間の長さを感覚的にしか捉えられない。だからこういうギャップが起きるのだろう。 僕は当時、東京で学生をしていた。後にも先にも、自分自身についてあ...
金沢屋の麦切り 在 Genの本棚食堂 Youtube 的評價
ふと思い返せばついこの間のように感じるけれど、絶対的な時間軸の上では5年以上の歳月が経っている。
こういう経験は割と誰にでもあるんじゃないかな。人は時間の長さを感覚的にしか捉えられない。だからこういうギャップが起きるのだろう。
僕は当時、東京で学生をしていた。後にも先にも、自分自身についてあれ程考えた時間はないと思う。そういう時間の中を、ある女の子と過ごした。筆で描いたように美しい黒髪と切れ長の目をした女の子だった。
僕と彼女は恋人ではなかった。かと言って友人でもない。そういう奇妙な関係を保ちながら、しばらくの間同じ部屋で暮らしていた。その経緯を全て伝えるとあまりに長くなるので、僕達が初めて言葉を交した時の事を少しばかり話そうと思う。
それは7月の夏だった。クーラーのよくきいた部屋の外で、蝉達の命を振り絞る声が微かに聞こえる中、僕はラテンアメリカ文学の講義を受けていた。確かフリオ・コルタサルの短編『山椒魚』についての話だったと思う。彼女は突然に僕の隣へ座り、小声で「君、都築君だよね」と話しかけてきた。
「そうだよ、君は確か竹内の」と僕が言ったところで、彼女は遮るように「もう終わっている」と言いながら笑みを見せた。
彼女は僕の数少ない友人、竹内の恋人だった。今までキャンパス内で何度か並んで歩く姿を目にしたことがあったけれど、本当に絵になる二人で、2000年代の恋愛ドラマを見ているようだった。しかしそんな彼女がどうして僕に声をかけるのか、さっぱり見当がつかなかった。
「ところでこれは一体何用ですか?」
僕がそう聞くと、彼女は「あなた、誰に対してもそういう言葉使うの?」と聞いてきた。
「そうだよ、で、何用」
僕がそう言うと、彼女は乾いた笑いを吐きながら言った。
「悪いんだけど、少しの間君の家に泊めさせてもらえないかな?」
「そりゃ、どうして?」
「ちょっと身内でややこしいトラブルが起きたの。それについては触れないでほしい。今は漫喫とかカプセルホテルで暮らしてるんだけど、お金がなくなっちゃいそうなの。だから泊めてくれる人を探し始めた訳なんだけど、私ってこういう性格だし、そういうこと頼める女の子の友達なんてまずいないの。でも、男友達の家にお邪魔して男女の友情に亀裂が走るのも嫌なんだ。で、その諸々を竹内君に話したら、ぴったりな奴がいるって聞いて、あなたを紹介してくれたの。弱みを握ってるから断れるわけないって」
あぁなるほど、と僕は思い、そして竹内に呆れた。
「事情は分かった。教授が睨んでるから、ちょっと外で話そう」
僕がそう言うと、「睨ませておくくらいが丁度いいのよ」と意味の分からない返答が返って来たので、僕が先に席を立った。
それから、数分後には3万円を家賃と生活費としてもらう事で合意し、彼女は僕の古いけれどやたら広い方南町駅のアパートへ大量の荷物と共にやってきた。部屋に入って早々、彼女は僕のソファに座り、マルボロメンソールを吹かしながら「ほんと呆れるくらいぼろい部屋だね」と言った。
はっきり言って、彼女の暮らしぶりは“ひどい”の一言だった。
当然、家事と名のつくものは一切やらないし、ゴミも服も散らかしたままだった。夜の10時ごろに部屋を出たかと思えば、翌日の昼過ぎに酒の香りを纏って帰宅し、死んだように眠る。そんな日が週に3回はあった。酔いつぶれた彼女を新宿へ迎えにいくことなんてざらだったし、中にはケンタウルスのような逞しい体つきのアメフト男子が彼女を求めて玄関のドアにタックルしてくるなんて事もあった。
美人というのは物語のある人生を生きる定めなのだろうか。
そんな彼女が、毎月25日だけは両手にスーパーのレジ袋を提げて帰って来た。初めて見た時は目を疑ったが、彼女は笑みを見せてこう言った。
「毎月25日は餃子の日なの」
「そんな話きいたことがないけどな」
「そりゃそうだよ、私の家の習慣だもの」
彼女は髪を結わえてキッチンに立つと、慣れた手つきで野菜を刻み、調味料と具材を混ぜていった。僕はその後姿をソファに座りながら眺め、つくづく絵になる人だな、と思った。
「ほんとに料理できるんだね」
僕がそう言うと、「餃子だけだよ。それ以外の料理はほとんど作った事がない。おばあちゃんがこれだけは覚えろってよく言ってたの」
「花嫁修業に餃子の作り方とは、何ともユニークな家庭だ」
「うち、親がアホみたいにぽんぽん子供作ったおかげで、ほんと貧乏な家庭になっちゃったの。それにお母さん私が中二の時に他の男と消えちゃうし。残された私達はそれなりに苦しい思いをして生きてる。でも、毎月25日、お父さんとお兄ちゃんの給料日だけはほんのちょっとの贅沢で、お婆ちゃんが餃子を山のように作ったの。本当に山のように。だから半強制的に手伝う事になってたわけ」
「それがこの餃子と」
「そう。お婆ちゃんはもう死んじゃってるから、作り方を完璧に知ってるのは私だけ。これぞほんとの無形文化遺産だよね。レシピを残すことに何の意味があるのかなんて言わないでね。君平気でそう言う事言いそうだから。私だって意味なんて分かってないし。でも残すの、そして私が死んだ時、また誰かに引き継ぐの」
僕と彼女は皮で餡を包みながらそんなやり取りをした。
それは間違いなく、僕が今まで食べた中で最高の餃子だった。話を聞いたこともあってか、なんだか凄く深みのある味がした。
僕のシャツを着た彼女は、金麦の350ミリ缶を開け、喉を鳴らしながら勢いよく飲むと、餃子を口へ運び、そしてこう言った。
「こういうのも何だけどさ、あなたとこの餃子を食べられて良かったと思ってる。今まで色んな男の人と食べてきたけれど、あなたと食べるのが一番美味しい」
彼女はうっすらと笑みを見せながらそう言った。
僕は、その時間がこれからもずっと続けばいいなと思った。ずっとずっと、死ぬまで続けばいいなと。そして彼女の事をいつの間にか好きになっている自分に気がづいた。でもその気持ちについて話すことは一度もなかった。彼女が僕に求めるものは、そういうことではないと分かっていた。
それから半年もせず、彼女は僕の部屋から出て行った。あの日僕に話しかけてきたように、突然にさよならと言って。僕は止めなかった。というより、止められなかった。
「あなたにはとても感謝してる。私はこれからの人生できっと何度もあなたの顔を思い出すと思う。本当に、何度も」
笑みを見せて話す彼女の目の奥には寂しさと苦しさが透けて見えた。
「うん、僕もきっとそうだと思う」
彼女は小さなスーツケースと共に部屋を出た。僕は小窓からその姿が消えるまで眺めたけれど、一度も振り向くことは無かった。
それ以来、彼女の姿を一度も見ていない。知人からも彼女の話は何も聞かない。僕の部屋にも彼女に関わるものは何も残ってなかった。まるで初めからどこにも存在していなかったかのように。
それでも、彼女の、彼女のお婆ちゃんの餃子はここにある。
Gen

金沢屋の麦切り 在 Genの本棚食堂 Youtube 的評價
『月と金星』より抜粋
カクテルシェイカーのようによく冷えた中央線特別快速の中、レシピサイトで今晩の献立を考えていると同僚の牧さんからメッセージが入った。
『よ』
『よー』
『お疲れ』
『まだ経理部いる?』
『お疲れ様です』
『いや』
『そろそろ最寄りです』
『はや!笑』
『まぁたまにはね笑』
『牧さんはお決まりのやつですか?』
『からかう暇あるなら助け舟出してよ、、華金なのに、鹿島が私を離さない』
課長の鹿島さんは彼女が大のお気入りで、金曜はいつも仕事を増やして2人で残業し、20時頃飲みに誘うのがお決まりだった。
『笑』
『そうしたいのは山々ですが』
『うん、どうしようもない』
『あのさ、今日見たい映画あるんだけど、トムハーディ主人公のやつ。帰りにTSUTAYAで借りてく?』
その文面を見て僕は目を閉じた。
やってしまった。
一昨日の昼下がり、社食で山菜蕎麦を食べていると、珍しく彼女が声をかけてきた。
「どうしたんですか」
「だって。周り人いないし」
確かに、200席ある空間には僕たちをのぞいて4,5人しかいなかった。
「あらほんとう。でも仕事戻らないと鹿島さんに残らされますよ」
そう言うと、彼女は少しもじもじして言った。
「あのさ、金曜お邪魔してもいい?」
確かにそう言っていた。そして僕は予定も確認せず、蕎麦をすすりながら確かに頷いた。
きっと彼女の中では今夜のシナリオが緻密に練られていたに違いない。21時ごろ駅に到着、帰路で好物の肉まんとコーラを買ったらマッドマックスかブロンソンを観る。ダークナイトとインセプションも捨てがたいが、ノーラン監督のハーディは決まって脇役だ。そして映画が終われば午前2時のシーツで深い眠りにつく。
僕は卑しくも先約と彼女を天秤にかけた。
『すいません』
『今日弟が来ることになって、』
ありのままを伝えればきっといい思いをしないから、僕は一部だけを切り取った。
既読はついたが返答は遅く、腹の底が締め付けられた。
『そっか』
『まぁこればかりは仕方ない』
『あんまり会えないだろうし、家族団欒を楽しんで!』
『ごめんなさい、』
『気にしなさんな。明日死ぬわけでもあるまいし』
『来週ブロンソン観ましょう』
『え、なんで分かったの』
『好みそうだから』
『そっか笑 ありがとね』
『こちらこそ、ありがとう』
タイミングを失った曖昧な関係の果ては、一体いつ訪れるのだろうか。
列車の扉が開き、ホームに足をつけると、顔には茹だるような熱風が吹き付け、今夜は熱帯夜になると予感した。
巨大な看板が見下ろす駅前広場はくたびれて背筋が曲がったサラリーマンや出会いを求める溌剌とした若者で溢れている。雑居ビル群の隙間に張り巡らされた薄暗い商店街に入れば、魚の煮付け、肉饅、もつ煮に焼き鳥、色んな匂いの湯気が空間に立ち込めてすごい湿気だった。
僕は客引きを避けながら、地下の食品店で肉野菜を買い足し、一本裏手に入って桃色の壁が大変チャーミングなフィリピンパブ脇の階段を上がった。
薄っぺらい扉向こうの築50年2DKに期待できるものなんて何もありゃしない。生活に必要なだけの家具とオーディオと数本の植木鉢があるだけだ。
床に散らばるペットボトルや延長コードを避けながら僕は汗ばんだ服を脱ぎ、大窓を開けてベランダに出た。目の前には雑居ビルに囲われた小さな中庭と一本の街灯があり、そこでは子供達がキャッキャとボール遊びを、猫はシャーシャー喧嘩を、パブのママはゴンゴン洗濯機を回していた。
頭上の四角く切り取られた空には、藍夜に飲み込まれる夕焼けの中、淡い輪郭を持つ月と金星が寄り添うように輝いており、さながらムンクの星月夜のようだった。
「そんなもん吸い出しちゃって」
口元で紙煙草がじんわりと赤い火を灯す中、ママは言った。
彼女の会話の始まりはいつだって間が悪い上に好戦的で耳に障る。
「あれ、こりゃどうも。これから出勤ですか?」
僕はフェイスパックにヘッドタオルの大怪獣ダダもといママへ聞いた。
「暇ならうち手伝いなよ。先週ちょうど一人辞めたから」
「毛の処理してませんけど大丈夫ですか」
「客引きだよばか。つまんないボケしやがって」
「まぁまぁ。そういや、今日葉来ますよ」
そう言うと、彼女のフェイスパックは顔から剥がれ落ちた。
「えー!早く言ってよ!いつ来るの?」
「さぁ、特に聞いてないんで」
「聞けよ」
「時間あったら寄りますよ」
「なくても寄りな。成田屋のちゃんぷるーあるから食べさせて。あの子成長期なんだから」
「いつもすみません」
火を潰して部屋に戻ると、僕はたまっているオールナイトラジオを流しながら牧さんの歯ブラシやパジャマをしまい、床は念入りに掃除機をかけた。浅ましいことは自覚している。
『今まで本当に長い間、お世話になりました』
そんな言葉を聞いたのは3年前の春のこと、近所のバス停だった。
田村光は深々と頭を下げ、まだ小学生だった弟の葉とこの部屋を出ていった。
僕がうつむく彼を「またな」と強く抱きしめると、「本当にまたあるの?」と返ってきた。
「うん、絶対あるから、大丈夫」
そう言いながら、僕は彼女の目を見て頷いた。
「じゃあ、行くね」
「うん、元気で」
「樹も元気で」
光はとても穏やかな表情をしてバスに乗った。
車体が交差点を曲がって視界から消えた時、長い年月をかけて築いた自分の半身が死んだ気がした。
「こんな終わり方後悔するよ」
ママはそう言った。
「どうしようもないでしょ」
僕はそう言い、階段を上がった。
最低限のものが持ち出され、「捨てて」と告げられた穴あきのニットやダイアナのヒール、使い古したスケボーはあまりに生々しく、今でもクローゼットの隅に残したままだ。
随分昔、光へ告白をしたその日、彼女は僕を自宅に連れて行った。
煙草の煙が立ち込める古いアパートには痣のある母親とその恋人と、赤ん坊の葉がいた。
一目でその家庭に何が起きているか分かった。
そしてその日の夕方、僕はアパート脇のブランコでひどいフラれ方をした。
だから18になったら3人で住もうと言い返すと、彼女はくしゃっと笑った。
3人で7年間、この部屋で暮らした。働いてばかりで余裕のある暮らしなんて送れなかったけれど、幸せだった。葉を自分の弟のように、子供のように可愛がった。
入学式も授業参観も運動会も、僕は当たり前のように出席したし、色んな場所を3人で見て回った。
そして葉が人一倍努力家で、思いやりのある自慢の少年になった時、僕と光はとうに恋人ではなくなっていた。
彼らが去った晩、ソファに座って呆然としていると、葉から電話があった。
深夜零時の公衆電話からだった。
「もしもし」
「葉?どうした?こんな時間に出歩いちゃダメだろ」
「コウちゃんと同じ布団だから寝らんない、なんか部屋臭いし」
「そっか、それは寝られないな」
「もうほんとに戻れないの?」
「うーん、分からない。やっぱりちょっと難しいかもな」
「ほんとに俺のせいじゃないの?」
「それだけは違う。何度も言うけど」
「戻りたくないの?」
「戻れるなら、うん、戻りたいかな」
「俺も戻りたい。帰りたい」
「うん、そうだよね」
「うちに帰りたい」
血も縁も繋がらない少年のすすり泣きに、僕は携帯を押し当てることしかできなかった。
スピーカーから流れる宇多田ヒカルのニューシングルと共に鶏の一枚肉を卵にくぐらせていると部屋にチャイムが鳴り響いた。粘り気のある手のまま扉を開けると短髪になった葉が立っていた。
「えらい早くないか」
「部活早く終わったから」
「なんで息荒いの」
「走ってきた。何となく」
「若いって罪よねー」
僕はそう言いながら、彼の手に下がる成田屋のビニール袋を見た。
「あ」
「え、まじ」
僕が頷くと、彼は大きく溜め息を吐いた。
「まぁ、育ち盛りだから大丈夫。二人前食え。というかどうしたそれ」
襟足まで伸びていた彼のさらさらヘアーは3週間見ないだけで引き締まったツーブロックに変わっていた。
「変?」
「変じゃない。ただ垢抜けたなぁと」
そう言うと、彼は少し口元が緩んで嬉しそうにした。こんな素直な高校生この世にいるかねってくらい素直で、こっちが恥ずかしくなる。
「お、チキン南蛮!手伝うことある?」
「いやいいよ、ゲームでもやってろよ」
「えーそうですかー」
葉はテレビゲームを立ち上げて通信対戦をはじめ、僕はキャベツを千切りにした。
彼の高校進学を機に、二人は新高円寺から四ツ谷に引っ越したと聞いた。
二人がどんな物を食べて、話して、誰と暮らしているのか、僕は何一つとして知らない。
葉は彼女のことを話さない。話したがらない。
高温の油にくぐらせた鶏肉はパチパチと小気味良い音を立て綺麗なきつね色に揚がった。それから隣のコンロで醤油と砂糖とみりんベースの甘辛いタレを作り始めると、葉はゲームを止め、冷凍庫にあった残り物をひょいひょいと集めた。
「えー、いいのに」
「大したことしないよ」
「味噌汁?」
「うん」
僕はだしの素を渡し、彼は鍋に火をつけて具材を炒めた。改めて横目で見ると、身長は僕とそう変わらないし、体つきもがっしりし始めていた。
彼がまだ保育園の頃、仕事漬けの彼女は家を開けることも多く、大学生だった僕と彼は、よくこのキッチンにいた。
初めて彼の好物のチキン南蛮を作った夜、出来上がりはまずまずだったが、やや事有り気な表情の葉を見て僕は慌てた。
「ごめん、コウちゃんのと違った?」
そう聞くと、彼は首を横に振った。間違いなく揚げ物担当の自分に非があると確信したが、原因も分からず、僕は葉が残さず食べる姿をじっと眺めることしかできなかった。
一連の出来事を深夜に帰ってきたコウちゃんに話すと、彼女は静かに笑っていた。
「うちはさ、なんでか卵と小麦粉なんだよね。もしかするとお父ちゃん九州出身だったのかも。ほら、私顔も濃い目だし」
彼女は眉間の掘りをつまみ、金麦をぐびぐび飲みながらチキン南蛮もどきを食べていた。
「なんだ、美味しいじゃん」
「そりゃレシピ通り作ったからね」
「葉は贅沢なやつだなぁ」
食事を終えると彼女はすとんと眠り、朝になればまた働きに出る。襖越しの葉が起きないよう、僕たちはいつも明かりと声を絞って深夜のわずかな時間を過ごしていた。
「じゃいただきまーす」
葉は何とも行儀悪く、山盛り茶碗の上にどっさりと肉を乗せ、タレのしみた米をかき込んでいた。
「うまい!」
「そりゃ良かったよ。なぁ」
「ん?」
「彼女できました?」
僕がそう言うと、葉は僕を睨んだ。
「なんで?」
「当たっちゃったか」
「違うって」
「じゃあ気になる子?」
彼はいや、と首を傾げながらもゆっくり頷いた。
甘酸っぱすぎて叫びたくなったが、嫌われたくないので我慢した。
「写真ある?」
そう言うと、彼はスマホを取り出し、真剣に写真を探し始めた。
見せちゃうの、見せちゃうのか!本当にこいつには思春期がないのか!
ツーショットの写真に映る彼女はまぁ結構な美人で、こいつは面食いだと確信した。
「お、可愛いじゃーん。と言うかツーショット」
「普通に、体育祭の時のやつだし」
「いや体育祭でも二人じゃ撮らないだろ」
それから僕たちは彼女にアプローチするための戦略を紙に書いて練った。練りながら、かつての自分が使ったアプローチと同じものだと気づき、我ながら呆れた。
「焦らずゆっくりやりたまえよ葉くん」
僕は葉にチキン南蛮の一切れとトマトをあげた。
「トマトはいらない」
「贅沢なやつだな」
「樹はさ、彼女とかいないの?」
「え」
初めて聞かれた、そんなこと。
「ごめん、忘れて」
「いたら、どう思う?」
「うーん、まずはちゃんと紹介してほしい?かな」
「・・・・呼んでみる?」

金沢屋の麦切り 在 ごはん日記 Gohan's Food Diary Youtube 的評價
東京在住、女ひとり、食べた物記録Vlogです。
今回は「マツコの知らない世界」で紹介された、カタヤキソバが食べてみたくて、原宿の先、北参道、千駄ヶ谷エリアにあるお店に行きました。
久しぶりの町中華、やっぱり私、街中華が大好きです。
お気に入りのお店が一軒増えました。
そして、暑い夏の定番「すだちそば」
今季お初でした。
涼しげで、美味しかったなぁ。
毎日暑いですが、食べれてるうちは、まだバテてないですね。
バテないように、身体を大切にしながら、美味しい物を食べ、体力つけてまいりましょう!!
今日も動画をみにきてくださり、ありがとうございます。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
ごはん😋
ごはん日記
#23
https://youtu.be/wfCVPIdrDgM
#24
https://youtu.be/q7Kz2VyjSKQ
#25
https://youtu.be/zroGclG7gSU
#26
https://youtu.be/ui_XbUtYoFU
#27
https://youtu.be/h-V7wgmqbHw
#28
https://youtu.be/2V-KJVz6FRM
#29
https://youtu.be/hoYfdylCdZo
#30
https://youtu.be/f7SSeZJ2w2A
#31
https://youtu.be/bJkxuZLPuh4
#32
https://youtu.be/a5ciWuq6FxE
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不定期更新なので、チャンネル登録していただけたら嬉しいです!!
https://www.youtube.com/channel/UCI89ykLgIWaetRHXiiQpWqQ?sub_confirmation=1
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オススメのレストラン
ボンベイ@恵比寿(カレー)
https://youtu.be/f7SSeZJ2w2A
舞香@恵比寿(街中華)
https://youtu.be/rZZx_Ezc6Bw
おにやんま@中目黒(うどん)
https://youtu.be/Zv7o5ZX0XhQ
バインセオサイゴン屋台(恵比寿)エシレ(渋谷)
https://youtu.be/FGWBOgg_6Qk
いまり@恵比寿(お好み焼き)
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ねじけもん@恵比寿(野菜巻串)
https://youtu.be/jGyQcydkSeY
綾川@恵比寿(ラーメン)
https://youtu.be/y2BojCjhCMo
ホンスチュクミ @新大久保(チュクミ )
https://youtu.be/FjXhj9nGla4
カンテラ@原宿(ピザ)
https://youtu.be/lWn8GbhjKSM
ふじ屋@恵比寿(ホルモン)
https://youtu.be/AjbkvAD3OMc
ペニンシュラ東京(朝食)
https://youtu.be/Bur-RPU13nc
まだまだ沢山ありますが、載せきれないので...
動画にしているお店はどこも素敵なお店です♡
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サブチャンネル
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動画に登場したお店
紫金飯店
http://shikin-hanten.com
松玄
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